坪田信貴 情熱大陸 勉強法 心理学 本
やはり心理学の効用に関しては、否応なく考えさせられてしまうものなんだろうなあ。
いかなる本がふさわしいのかは、千差万別であること自体、重々承知の上ではあるものの...。
先月のこと、子どものお受験を気に掛ける友人と、思いもかけずに再会して、他愛ない話をして以来、つい気になってしまった。
それは、昨年2013(平成25)年12月26日木曜日に発売した『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(KADOKAWA)の著者で、株式会社青藍義塾(せいらん・ぎじゅく)代表取締役塾長・坪田信貴に関する話題...。
その友人が口にするには、坪田先生は幼少より幼稚園の園長を務めていた母の園児たちとの関わりを見ながら育ったとか。
大学に入学して以来、心理学の面白さに触発されて、アメリカ留学も果たして...。
帰国間もない頃に、予備校講師のアルバイトで心理学を活用した指導方法で受講生と向き合い続けたところ、偏差値が上昇したとのこと。
現在の塾を立ち上げたのは、この本を出版した時から約8年前...。
先の友人との再会を経て間もなく、書店で見つけることになって...。
目にした当初、表紙やタイトルからは、よくあるタイプのハウトゥー本の類かと想像してしまい、購入を躊躇。
確かに、これまでを振り返れば、受験戦争の煽りによる"詰め込み教育"、それ一辺倒後の弊害を解消するための"ゆとり教育"、さらのその弊害による"学力低下問題"、それを克服させるために、一体何が必要なのかを、否応なく考えさせられてしまって...。
それゆえに、世の中にはダメな指導者がたくさんいて、そのせいでたくさんの可能性が失われているのではないか、といった一瞬"魔が差す"かのような、やるせない気持ちにさせられることにも...。
しかし、だからと言って、可能性を否定するかのように悶々としていても、どうにもならないもので...。
それでもあえて、体験談の一つとしてで読もうと思い、購入。
率直な感想としては、主人公さやかちゃんのおバカエピソードばかりが強調され、彼女自身の努力や葛藤を軽く流している印象が強いかなあ。
さやかちゃんのダメなところをグダグダとこと細かく執拗に書くかのような指摘、どこまでが許容範囲なんだろうかというのが、何気に気になった。
さやかちゃんの場合は、そうまでしてあぶり出さなければ、自覚できないのか? という点で。
しかも、慶応合格が目的となってしまい、大学で何を学ぶのか? という視点があいまいなまま。
受験した学部も一貫性を実感しづらいのが難点かなあ。
しかも、この話は出版当時より6年前であることを、文章のほぼ最後に記載されているのが、いただけない。
現在と比べれば、物の見方はいくらか変化しているものだから。
以上のことを考慮すれば、7月頃に発売された、現役東大生による東京大学情報本である『U(あなた)とT(東大)を結ぶ本 Next to UTokyo』(東京大学新聞社)と併せて目を通してみるのが、物の見方の幅広くなるという点で適切なのかもしれない。
それでも、読み進めていくと、坪田先生やああちゃん(主人公・さやかちゃんの母)のさやかちゃんに対する接し方が...。
勉強の楽しさを教え、夢を抱かせ、常識にとらわれない指導法を確立されている坪田先生。
世間体を気にせず娘のことを全面的に信頼するああちゃんの言動。
プライドも恥も捨て、素直に目標に向かって頑張るさやかちゃんの行動。
「人生なんて、自分次第でいかようにも変えられる」というさやかちゃんの言葉のように、心にとても響いて前向きになれるものがあったかな。
リーダーシップに関しては半信半疑なものの、子育ての本質を突いていると実感。
言動はともかくとして、坪田先生やああちゃんのような大人が増えれば、きっと世界は明るくなれるし、幸せになれるんだろうなあ。
生徒を信じることにより、生徒からの信頼を得てゆく。
受験のプロとしてよりも、教育者としてふさわしいんだなあ。
そして、いよいよ9月21日日曜日放送のMBSドキュメンタリー番組『情熱大陸』が...。
本放送録画分も、良き参考資料の一つになりそうだ。
いずれにせよ、肝心要は受験生自身の意志と目標。
すなわち、大学合格後の学習であること、大学卒業後の就職でいかに能力を活用させるかということ、それぞれを前提にして、ことにあたることが大切。
素直さとか、信じこめる感受性とか、逆に怖いと思うことも多いけど、何かをやりきるには重要なんだなぁと思った。
そして、最後に...。
2015(平成27)年5月1日金曜日には、映画『ビリギャル 学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』が公開...。
主人公・さやかちゃんこと工藤さやかを演じるは、有村架純。
有村架純のギャル姿、どのような出で立ちなんだろうか?
ますます気になってしまう。
2014-09-20 |
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