親孝行できるかな? たかぎなおこ 感想
1974(昭和49)年3月26日生まれの三重県四日市市出身で、子どもの頃から絵を書くのが大好き。
美術系短大およびデザイン専門学校卒業後、名古屋市のデザイン会社を経て1998(平成10)年に上京して、2003(平成15)年に『150cmライフ。』でイラストエッセイデビュー。
以来、小柄な体型ながらも非常によく食べ、旅エッセイでの食べ歩きなどの身近なテーマを、親しみやすいイラストエッセイとして描いて人気を獲得してからの紆余曲折を経て...。
かのイラストレーター・たかぎなおこさんも、より親孝行したいお年頃に...。
「理想の娘じゃなくてごめんね」という気持ちが前提にある、3月13日金曜日発売の『親孝行できるかな?』(KADOKAWA/メディアファクトリー)...。
コミックエッセイならではのやさしさなのか、決して重苦しさのないゆえに、ほのぼのさせられてしまった。
いわゆる娘目線だけでなく、親の立場も考えながら、シルバー世代の両親との思い出づくりに奮闘する、なおこさんが素敵。
「親孝行したいときには親はなし」、というけど、なおこさんのように普段東京で何気なく暮らしているときも、「これお父さんが好きそう」「これを見せたいな」「食べさせたいな」と思って過ごして、実行する人は、本当に親孝行だと思い知らされるかのよう。
特に、お年を召したお父さんの無邪気でホノボノとした魅力を爆発させているのが、忘れられない。
以前の『上京はしたけれど。』や『うちの犬(ムク)、知りませんか?』(文藝春秋)などの作品に登場するご両親ゆえに、自惚れながら自分も一緒になって親孝行している気分に浸ってしまった。
全体を通して、思いやりと優しさが随所からあふれているエッセイ。
イラストレーター・たかぎなおこさんのご両親が末永く健在であることと、なおこさんがたくさん親孝行できることへの祈りは、もちろんのことだけど...。
「親孝行したいときには親はなし」
といった悔いを抱いてしまったら、それまで???
やはり、年齢を深く重ねないと強く実感できないものであるのが、切ないといったところなんだろうなあ。
それでも、
「親孝行の仕方がいまいちわからないし、なにが親孝行なのかもわからないけど、これからもたくさん2人の笑顔が見れますように」
という本書における締めくくり方...。
「そうか、それで良いんだ」
「両親の笑顔を見せられれば、それだけで親孝行なんだ」
「特別何か大きなことをしなくても良いんだ」
「ただ、両親の笑っている顔を見れるかどうかが大事なんだ」
このような想いがとどまることなくあふれてしまった。
いかなる時代の流れであれ、親を想う心が、永遠のものでありますように!
2015-03-31 |
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