さくらんぼ 佐藤錦 竹城青果 7月
からの出荷か...。
ここ数年の間といえば、5月上旬の母の日と、6月下旬の父の日、といった贈りものにふさわしくなりつつあるけど、やはり日本一の生産地とされる山形県東根市で、ナポレオンと黄球との掛け合わせで作られた交雑種、"赤いルビー"の異名を持ち、現在も多く栽培されている品種"佐藤錦(さとうにしき)"の7月からの出荷が、待ち遠しくなってくるものだから...。
生産者による朝採りののち、1箱いっぱいに入れた新鮮冷蔵便での直送。 すなわち、収穫日の翌日に全国に向けての配送による安心保障は、心から嬉しいもので...。
前年の今頃かなあ、隣近所へのおすそ分け用に購入して...。
【山形県産 露地栽培 さくらんぼ「佐藤錦」 秀品 M 1箱 1.0kg(500gX2パック)】
【山形県産 露地栽培 さくらんぼ「佐藤錦」 秀品 M 1箱 700g(350gX2パック)】
美味しかった。
甘味と酸味のバランスが良かった。
そこに至るまでには、いろいろあるもので...。
はじまりは1908(明治41)年、株投資の失敗から家業の醤油醸造を廃業した東根町三日町生まれの佐藤栄助氏が、中心部から南方に移り住み、森林を切り拓いて果樹園経営を始めたことから...。
明治の初めより、政府が欧米から輸入した桜桃を全国20県に配布して栽培を試みるも、収穫期が梅雨と重なるゆえに、収穫後の日持ちの悪さと出荷の途中での痛みなど、問題の多い品種だったという。
それゆえに、わずかながらに栽培されるのが、山形県。
気候的に本来は4月から5月上旬の遅霜が軽く、6月から7月上旬が比較的湿気と雨の少ないゆえ望ましいとされていて、中でも山形県は全国で数少ない適作地。
新しい品種をつくるために苗木数種を買い取って自分の果樹園に植栽した栄助氏は、当時開通したばかりの鉄道輸送で関東方面への出荷を意識して、甘いが果肉の柔らかく保存の利かない「黄玉(きだま)」と、酸味は多いが果肉は固く日持ちのいい「ナポレオン」を交配。
できた実を発芽させて苗木をつくり、その中から葉の大きい質の良さそうな苗だけを選抜して移植、1912(大正元)年頃に質の良さそうな20本をさらに選抜。
根気よく手間をかけて育成試験を繰り返して10年後の1922(大正11)年、「風味も食味も日持ちも良くて、育てやすい」夢の新品種の育成に成功。 さらに、良きものを選抜して最終的に1本に絞って原木に決定。
1928(昭和3)年、この時まで栄助氏を支えてきた現・天香園初代・岡田東作氏は、優れた新品種の将来性を見込んで「佐藤錦」と命名、世に広めることとなって...。
現在、山形空港に近く、山形新幹線の停車するJRさくらんぼ東根駅には、「佐藤栄助翁と子供たち」の銅像が...。
何らかのお祭りでもあったら、行ってみようかなあ。
さくらんぼの栽培ともなれば、気象条件の難しさなどを含めて、手間が驚くほどかかってしまうことに加えて、いかに昔ながらの露地栽培であれ、収穫前の降雨ゆえの果実の水分吸収と裂果を防ぐために、樹または園地全体に雨避けの屋根をかける雨避けテント栽培によるものに...。
かねてからの栽培の歴史の古い果樹で、巨木化しやすい桜桃(おうとう)を放置して育てると、5,6年にて7mから10mまでの高さになるらしく...。
4年目にて、花が咲き実をつき始めるようになって、その年の2月から3月頃には、高品質な果実を安定して生産するために、余分な芽の摘み取りと剪定。
4月上旬頃からは余分な蕾を落とす摘芽。 大粒で甘味のあるさくらんぼとして生育させるために、晩霜(おそじも)被害を防ぐためにも、夜通し火を焚き暖をとる作業を下旬まで行って...。
4月下旬から5月上旬にかけての春の暖かい日の光に誘われて、さくらんぼ開花。 自然の風、マメコバチとミツバチなどの訪花昆虫による受粉と、ダチョウの毛で作られた毛ばたきによる人工授粉へ...。
5月中旬から下旬にかけて、満開から2週間過ぎたあたりから幼果とよばれる実がつき始めることになって...。
小さい実が大きくならずに落ちる反面、残った強い実が立派な赤いさくらんぼになるという。
そして、果実一つに配分される養分の減少と品質の低下を防ぐために、余分な果実を摘み取り花そう内の果実を2,3個にする摘果が行われることになって...。
5月下旬から6月上旬にかけて、実を赤く色づかせて肥大させるために、日陰をつくる余分な葉を摘み取る葉摘、樹の下の銀色の反射シートの設置。
ほどなく、収穫は6月中旬から、出荷は7月上旬から...。
いずれにせよ、前年の今頃のこともあるし、露地栽培で梅雨特有の長雨をうまく凌いでの収穫となれば、予約は早いうちがいいや。
それさえ早くすませれば、あとは美味しいさくらんぼの届くのを待つだけに...。
この年も楽しみだ。
隣近所の人たちを招いてのおすそ分けが...。
ささやかな一粒ながらも、宝石のような美味しさが、永遠のものでありますように。
2015-05-01 |
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