遠藤憲一 父親 白い春 てっぱん 華和家の四姉妹
あの1990年代から2000年代を吹き荒れた「Vシネマ」時代での強面ぶりに定評あって、もはや日本を代表する“強面”俳優の一人となって久しく、最近はルックスとは対照的なコミカルな演技を魅せるまでに...。
中でも、2010(平成22)年より、CMではダイハツ工業『ムーヴ』はじめ、2014(平成26)年のKing Japan『キャンディークラッシュ』の妖精役や、この年2014(平成26)年からの森永製菓『チョコボール』の“3粒食べ”の技に見られるように、女子からも「キュート」「カワイイ」などと評されるようになって、「強面 X カワイイ」という"顔面ギャップ力"ゆえの、その幅広い演技力がますます広がりを魅せて...。
かねてより脇役中心の出演の相次ぐ中、特に現代的な父親らしい象徴としての一挙手一投足も、次第に際立つようになって...。
中でも、3作品が強く印象に残るなあ。
そのはじまりは、2009(平成21)年4月14日火曜日から6月23日火曜日まで全11話放送の、関西テレビ・MMJ共同制作による尾崎将也脚本のフジテレビ火曜ドラマ『白い春』で演じた、『むらかみベーカリー』店長・村上康史を演じたことかなあ。
真面目で善良な人間の反面、臆病で慎重な性格の職人肌には、その意外性に驚いてしまった。
主人公の元ヤクザ組織のチンピラ・佐倉春男(阿部寛)が、当時同棲中の病身の恋人・高村真理子(紺野まひる)の治療費と組から足を洗うための条件として対立している組長の殺害を命じられ実行。 逮捕後の一方的な別れからほどない真理子との出逢いで惹かれる表情が...。
真理子が妊娠していることも承知の上でプロポーズするも結局実らず、真理子の死後に、遺児・さち(大橋のぞみ)を引き取って、実子のように育てる優しさと真剣さ、忘れられなかった。
9年後、刑期を終えて出所するも最愛の女性を失ったことで自暴自棄になっていた春男と、自身の娘であることを知らないさちとの出逢い。ほどなく知ることとなった康史の葛藤も、しかり。
二つ目は、何と言っても、2010(平成22)年9月27日月曜日より放送のNHK朝ドラ『てっぱん』で演じた、ヒロイン・あかり(瀧本美織)の養父で広島県尾道市の「村上鉄工所」社長・村上錠。
『白い春』同様、職人肌ならではの仕事ぶりと、あかりを実子のように育てる優しさと真剣さも、忘れられなかった。
あかりへの想いは特別で、ずっと手元に置きたい感情の昂りあって、喜怒哀楽の激しさと愛情深さ、あかりの涙とともに強烈に印象に残るくらいに...。
三つ目は、2011(平成23)年7月10日日曜日から9月18日日曜日まで全11話放送の柴門ふみ原作・今井夏木演出によるTBS日曜劇場『華和家の四姉妹』で演じた、四姉妹の長女・藤子(吉瀬美智子)と次女・竹美(観月ありさ)と三女・桜子(貫地谷しほり)と四女・うめ(川島海荷)の父・華和大悟。
イベントプロデューサーや出版プロデューサーなど、職を転々と変えながらの世渡りを得意とするチョイワル親父で女にモテまくり。 家族には「浮気はしていない」が口癖で、妻・幸子(宮崎美子)と娘たちを心から愛しているが、幸子の傷心旅行中の事故死後も、浮気癖が治らないまま...。
刹那的な言動ゆえの哀愁あって、どこに着地点を見つけるのか、最後まで目が離せなかったなあ。
(個人的な印象に過ぎませんけど...)ある意味、これら3作品が、俳優における転換点だったのかもしれないや。
1961(昭和36)年6月28日生まれ、東京都品川区出身。
元々真面目な性格だったものの、横浜商工高等学校(現・横浜創学館高等学校)に入学早々より、半数以上をツッパリが占め、ほとんどがリーゼント。 周りからの影響で徐々に遊びに染まっていってしまい、授業内容も頭に入らず、徐々に嫌気がさして高校1年次の2学期で中退。
以来、嫌なことがあるとすぐにやめる癖がつき、その後アルバイトを転々としていたが、ある日広告で劇団員募集の広告を見て軽い気持ちで入団。
その後、役者業に興味を持ち難関として知られる仲代達矢主宰の俳優養成所『無名塾』の選抜試験に合格して舞台俳優としてのキャリアをスタートするも、空気の重圧感や規律の厳しさと辞め癖が抜けていなかったことから、10日間後に『無名塾』を離脱。
ほどなく、劇団フジ・東京宝映(現・宝映テレビプロダクション)に移籍して役者活動を再開。
22歳でドラマデビューし、以降は刑事ドラマ・サスペンス作品・時代劇などで下積み的な出演。
やがて、いわゆる「Vシネマ」時代が到来すると、眼力のある強面の風貌を生かして極道物で数多くの悪役。
並行して、20歳代後半当時の俳優の仕事の少なさゆえの「自らが出演できる作品を作るために」という理由から始めたテレビドラマ脚本や、シリアスなCMや映画の予告編のナレーションなど多様な活動を行っている中、2009(平成21)年4月3日金曜日から6月26日金曜日まで全12話のテレビ東京系"ドラマ24"枠『湯けむりスナイパー』の源さん役にて、念願の連続ドラマ初主演へ...。
以後も多様な活動を継続中...。
中でも、カルト的な内容の作品におけるエキセントリックな演技は今でも語り草に...。
これからの行く末に、ますます目が離せなくなってきた。
2016-03-15 |
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